元ダーツ・チャンピオン、レイトン・リーズ(76年の大会で141投中、86投がブルズアイに命中)によると、ダーツを投げる時の理想的な構えとは、スローイングラインと平行に足を約46センチ開いて立ち、ダーツを投げたあとに上体がぶれないように、リラックスしながらしっかりと腰を構えた姿勢です。
「まず脚と腰を安定させ、それから胸や首、頭の位置に合わせて上体を調整します。技術的に説明すると、その姿勢が固まってから、三角筋を使って、首や肩、背中の筋肉でサポートしながら、肩の位置で腕を固定させるのです。また反対の腕は、完全に力を抜いて軽く残りのダーツを握ります」と説明しています。
さらに「バックスイングで重要になるのが軸になる肘です。
スローイングの最初から最後まで力を抜いて、常に同じポジションを保つことが大切です」と付け加えています。
リーズが説明するダーツのスローイング方法と対照的なのが、プロのピッチャーのピッチングです。
彼らがボールを投げる時には、肩や腕に多くの力が加わります。
どれだけの力が加わっているのか、生体力学的に分析し、トルク(回転力)、圧縮力といった値をもって表した研究もあります。
また、こうした力がどのような怪我を引き起こすのか、その一覧も作成しています。
また別の研究では、「上腕骨の疲労骨折はそうめったにではないが、起き得ることはよく知られている。
プロのピッチャー25人を対象に、実際の試合環境で投げた場合にどれだけのトルクが上腕骨に加わるか調べたところ、その最大値は平均して、理論上、上腕骨が耐えられるトルクの48パーセントもあった。マシスによると、圧力が繰り返して加われば上腕骨が骨折してもおかしくない圧力だ」とまとめているのです。これは決して大げさな言い方ではありません。94年、シンシナティ・レッズのトム・ブラウニング投手が投球中に骨折したのを覚えているファンも多いことでしょう。
また89年には、サンフランシスコ・ジャイアンツのデイブ・ドラベッキー投手も骨折しています。
つまり、野球のピッチャーはダーツよりも高い精度が求められるだけではなく、力を込めて投げなければいけないのです。